2020-06-21

カフェリノベーションのお仕事 その1

2020年6月〜 @東京都足立区西新井 子育てカフェ eatoco  店舗リノベーション

上野のYUKUIDOにてオフィスを構えていた時、ふとオフィスに「こんにちは〜」と登場したのが子育てカフェeatocoを営む阿部さん。当時、お店のようなオフィスだったので、時々このように飛び入りで入って来てくれた人と、そのままお茶をしながら話し込むなんてこともしばしば。

阿部さんも私と同じく、編集・ライター畑出身の人で、過去のお仕事の話から趣味の話、気づけば政治の話なんかまで。(笑)  不思議なことに、会ったばかりなのに時間を忘れるほど喋り込んで、おおいに盛り上がったのが阿部さんとの出会い。そんなことがきっかけとなり、阿部さんがカフェに改装しようとしているeatocoをDIY推奨する大工さんといっしょにお手伝いさせていただくことになりました。

『eatoco』について

eatocoは、足立区の西新井駅から歩くこと約12分。昔ながらのお肉屋さんや、お惣菜屋さん、八百屋さんなんかが立ち並ぶ昭和の香りが漂う関原銀座商店街を歩いていくと、古くから営む時計屋さんのお迎えにあるeatocoにたどり着きます。なんだか本気で昭和にタイムスリップしたような気分になるエリア。

eatocoは、1Fに車が1台入るくらいの 倉庫に使われていたというスペースと、小上がりのキッチン&トイレがあり、2Fは6畳と4畳半の2間というようなこじんまりとした佇まい。今回、リノベーションをさせていただくのは1Fのカフェエリア。

阿部さんは、2016年に倉庫スペースだけを借りてスタートし、2017年に建物全体を借りることができたのを機に、試行錯誤をしながらも様々な子育て真っ盛りのお母さんたちが楽しめるイベントを企画し開催されてきたそうです。

3人の子育てをしている阿部さんですが、10年前に子どもを連れて行ける場所の少なさから、雰囲気も良く、いつでも開いていて、子どもが多少やんちゃなことをしても受け入れてくれる、そして 何よりも お母さん同士で深く共感しあえるような、 そんな場所があればいいな、そんなカフェをつくりたいな と考えたのが「子育てカフェeatoco」を始めるきっかけとなったのだそうです。

夢を言葉で語ることで生まれた ”子育てカフェ eatoco ”

阿部さんの思いから始まり、共感した人たちの協力を得てeatocoの2軒隣にある青空駐車場でマルシェをスタートさせ、その後、現eatocoをイイトコ実験室(ラボ)と名乗り、子育て用品の物々交換、プチマルシェ、子ども縁日や出張コーヒー講座などお母さんが子連れで楽しむことができる小さなイベントやワークショップを行いながら地域の一つの顔へと成長していったのだとか。

「最初、私がカフェをやりたいなんて口に出したらバカにされるんじゃないか…と心配していたんだけど、ある時から勇気を持って『子育てカフェをつくりたい!』という夢を 周りの出会う人たちに語るようにしたんです。すると、お母さんたち、子育て関係のNPOの方々、家族、親戚、などの共感を得て活動を応援してくれる仲間が少しずつ増えていったんです」と、阿部さん。

小さなできることから始めて、ママさんがカフェを始める。なんとも素敵なストーリーじゃないですか!私もすっかり応援隊の一人となりました。阿部さんが夢に向かって動き始めた時に、いいのか悪かったのか?(笑)吸い寄せられるように私のオフィスに飛び込んできてくれたのでした。私にとって最高に嬉しい出会いでした。

自分が子育てをしている時に こんな素敵な場所があったら、もっと余裕を持って楽しみながら子育てができたかも…と、eatocoを利用できるお母さんたちを羨ましく思います。

災害や新型コロナウィルス、私たちの想像を越えることがいくつも起こる今日この頃、最近つくづく考えます。地域密着の大切さを…

地域が子どもを見守り、地域で子どもを育てる。お母さんたちが困ったら助け合い、必要がなくなったらお古を近所の必要な人に回してあげる。そんな大切で優しい文化がかつての日本にはありました。

eatocoのリノベをしていると、ひょっこり近所の子どもが興味を持って覗いてくれたり、おじいちゃんやおばあちゃんが「だいぶ進んだねー」とか、「いつから始まるの?」とか声を掛けてくれる。また、お向かいさんが脚立を貸してくれたり、ちょっと悩みを持ったママさんが立ち寄って阿部さんに悩みを打ち明けたりしている。阿部さんといっしょに商店街を歩くと、少し歩いては道ゆくご近所さんに声を掛けられたり、阿部さんが子どもたちに声を掛けたりしている様子を見ながら、この昭和な商店街には温かい文化があるな〜と心温まる。でも、それは阿部さん自身が数年間掛けて地道に、地域の人たちに対してeatocoという場所を通し、おもしろくて、優しい文化を発信してきたからなんだと思いました

というわけで、eatocoがどのように生まれ変わっていったかは、その2で…

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